時間は粘膜をも、破壊する。

おまえは明らかに、さっきワタシが食べた卵より
腐っているじゃないか!
何故、其れに気付かないんだ!




不毛な会話が続くとその分、死臭も強くなるのがイヤなのだ。
きっと腐る前から、溶けていると言うのに、
なんでそんなコトに気付かないんだ?





今日は、穏やかに溶けて、穏やかに流れていた。
運河に繋がっているようで、少し心を開けたと思ったが、
運河に見えた其れは、運河ではなかった。
泣きはらした足元には、確かに運河が澱みつつも流れていた。
魚になったら気が楽になった。




魚類最大。
ほ乳類ではないのだ。
電飾ビカビカの巨大クラゲとの対話は不毛。
それより身体についた、ふじつぼをとってくれ!
コイツらと共存する気は、さらさらない。


漂う自由に、嫉妬しているだけなのかも知れない。


そんな風に感じるのは、弱っている証拠なのかも知れない。
弱っている自分を認めたくない。
涙を流す自分を見られたくない。



だから暗い海の中を、ただひたすらに泳いでいる。
見つめなおすモノは、なんなのか?
酷く困難である。


時間の過ぐるのは早いのか?
それとも遅いのか?酷く難解である。
確実なのは、時間は粘膜をも破壊すると言うコト。