寺山まみれな、ゴルデンウィクっす。

湿度が許せない!
不快指数は、なんぼじゃ!


初対面の人に、「寺山修司すきでしょ?」と、さんざん言われ続けてきたけれど、
それを否定出来ないほど、寺山まくってるな。
このゴールデン・ウィークに詰め込んだ、寺山ワールド。

舞台、毛皮のマリーに始まり、
劇団A・P・BーTOKYOの、実験室公演。
そして今日は、寺山実験映画を見に行った。
3連発だよ。
これで、寺山に興味ないとは、言えなくなっちゃったなぁ。





プログラム【G】:「実験映画集1」(合計104分)


『青少年のための映画入門』
1974年/モノクロ/3分
脚本・監督:寺山修司/撮影:萩原朔美/選曲:寺山修司/製作:九條映子/出演:森崎偏陸、斉藤正治、佐々田孝司、A.V.サキノフ
「100Feet Film Festival」に出品された3台の映写機による3分間映画。

『疱瘡譚』
1975年/カラー/31分
脚本・監督:寺山修司/撮影:鈴木達夫/音楽:田中未知/助監督:森崎偏陸、浅井隆/出演:新高恵子、若松武、小野正子、中沢清、蘭妖子、徳野雅仁、小竹信節
イメージが疫病のように伝染していく、初めてビデオ合成を試みる。

『マルドロールの歌』
1977年/カラー/30分
脚本・監督:寺山修司ロートレアモン「マルドロールの歌」による)/撮影:鈴木達夫/音楽:鈴木昭男/製作:小西昭典/照明:磯貝重夫/出演:新高恵子、蘭妖子、矢口桃、大野進
ロートレアモン「マルドロールの歌」を映像の翻訳、読む映像の試み。

『ローラ』
1974年/カラー/12分
脚本・監督:寺山修司/撮影:鈴木達夫/音楽:田中未知/衣裳:蘭妖子/助監督:森崎偏陸/製作:鵜飼正英/出演:小野正子、蘭妖子、有栖川志栖子
映画館の客席からスクリーンのなかへ“出入りできる映画館”

『審判』
1975年/カラー/20分
脚本・監督:寺山修司/撮影:福元文一/音楽:J・A・シーザー/編集:大島ともよ/製作:九條映子、田中未知/出演:新高恵子、大野進、蘭妖子、パンチョ・目黒、矢口桃
釘で被われたイメージの釘学大全。観客によってスクリーンは釘の壁と化す。





スクリーンから、客席の男性に呼びかけるシーンがある。
客席に座っている男性が、スクリーンに向かってピーナツを投げる。
スクリーンの中の人物と、男性のやり取りの後、
今まで客席に座っていた男性が、突然スクリーンの中に消える。
スクリーンには、客席の男性が映し出され、
ああだ、こうだと押し問答があり、
男性は服をはぎ取られ、再び客席へと逃げ出す。

本当にスクリーンから、裸で出てくるんだよね。
カイロの紫の薔薇は、映画の中で行き来する話しだけれど、
本当に行き来するなんて、ビックリ。





プログラムの最後となった、審判では、
執拗に、釘を打ち込むシーンが流れる。
壁いっぱいに打ち込まれた釘を、引き抜くシーンもある。
あらかじめスクリーン前に用意された、釘とハンマー。
それをスクリーンに直接打ち込む人。
ひとしきり釘を打ち込むと、客席にいる次の人にハンマーを渡す。
ハンマーを渡された人は、またスクリーンに釘を打つ。
次から次へと客席にハンマーが渡り、受け取った人は釘を打つを繰り返す。



この時間が案外長くて、
もしかして全員釘を打ち込まないと帰れないの?
って、ちょっと心配になったけど、
実際に観客が釘を打ってる最中で、作品は終了。
同行したマンボも、ちゃんと釘を打ち込んでいた。


実は、ワタシが遅れてしまい、個別鑑賞だったので、
ワタシには、ハンマーは回って来なかったんだよね。(安堵)
今日は着物にシルバーのおかっぱのズラだったから、
そんな格好で、ノコノコと出て行ったら、寺山の熱狂的なファンぽいじゃん!
それは流石に恥ずかしいので、回ってきませんようにって、祈ってたんだよ。

マンボは、かなり恥ずかしかったらしいが、
前列に座ってしまった為、思いがけずな羞恥プレイを遂行するハメに。






改めて見ても、どーやって撮影してるのか謎な映像の数々。
凄くアナログな手法なんだろうけど、
説明しろと言われても、ムリなんだよ。
アンダルシアの犬は、理解出来ても、撮影の謎はわからない。
きっとクチで説明されても、撮ってるトコを見ない限り、
絶対わからないんだろうと思う。
もしかして、わからないのは自分だけ?だったら、イヤだなぁ。



アングラ、シュール何たら、
ちょっと文学ぶっててカッコつけてる人が好きそう。
そんなどーでもイイ感想しか出てこないけれど、
収穫あり!みたいな面白さは残ってるから、
やっぱり寺山とか、けっこーすきなんじゃん!w(素直に認めろ!)


プログラムと、ポストカードをがむしゃらに購入。
来年も、見に行こう。